前回、看護学生の実習の時のお話しをさせていただきましたが、実習の中で、もう一つ印象深かったものがある。

産婦人科の実習に行かせていただいていた時のお話。実習は1人の患者さんに3週間続けて関わり、勉強していくと言いましたが、産婦人科に関しては違う日程だった。最初の1週間は外来で実習させていただき、妊娠中で外来通院している方との関わりを見学させていただく。2週目は出産間際の方との関わりを学ぶ。3週目は出産後、初めて乳児と関わるお母さん方と一緒に、入浴の仕方などの接し方を学ばせていただくという流れだった。

最初の1週間。まだ無知な私は、今までの実習とは違い、婦人科は微笑ましいものだと思っていた。病気を患い、治療を必要とするわけではなく、新しい命が宿り、出産までの不安な気持ちをサポートしていく程度だろうなと。他の科とは違い、女医さんが優しいトーンでお話しして、外来の雰囲気も良いんだろうなーと。

しかし、行ってみると思っていた雰囲気とは全く違っていた。来る人来る人、女医さんに怒鳴られている・・・。主に体重が増えすぎだと・・・。確かに、妊娠中に体重が増え過ぎると、高血圧、糖尿病などを発症してしまい、お腹の中の子供の成長にもリスクが伴っていまう。それがわかっていましたが、予定より数グラム多いだけでも、相当怒られている。妊婦さんだって、分かっていても食欲は増強するだろうし、ついつい幸せな気持ちもあいまって食べ過ぎてしまうこともあるだろうに。まだ学生だった私は、数グラムだけだったら「次回までには気をつけて下さいねー。」程度でいいように思えていました。今思うと、その数グラムが後々大変な事に繋がっていくのだから、プロとしては当たり前のことなのですけれど。その当時は、私がいつか妊娠する時がきたら、こんなに怖い先生がいる病院は行かないでおこうと思ってしまいました。

でも、自分が30代になり、妊娠、出産が現実味をおびてくると、考えが変わってくる。若い頃と違って、30代になるとついつい自分を甘やかせてしまう。きっと、あれぐらい怖い先生に注意されないと「これくらいの増加なら大目に見てくれるだろうなー。」と思い、何の躊躇もなく食べてしまうと思う。現に、20代と比べると4キロ近く増量してしまっているし・・・。

今、外を見てみると、大きな虹が出ている。昔を思い出しながら、自分に厳しく、たまにはダイエットをと思いましたが、虹を見ていると、また、まぁいいかと思ってしまう自分がいます。