そんなことを繰り返していたら入店から2時間が経ち、そろそろコンパも終了するかなと、向かいの席をちらちら覗き見し、気にしながらお酒を飲んでいた。お酒も入っているため、そのうち話にも熱が入ってくる。すっかり話込んでしまい、久しぶりに覗くと友人たちの姿がない!慌てて店の入り口に行くと、店の外で立ち話をしている。友人と目が合いそうになり、慌てて自分の席へ引き返す。

定員さんから見たら、すごく怪しい客だっただろう。私たちは慌ててお会計を済ませ、店の外へ。周りを見渡すが、友人たちの姿は見えず・・・。探偵としては大失敗だった。諦めきれず、友人へメールをしてみる。探偵なんてしていない様に「今日のコンパどうだった?もう終わった頃かな?」と白々しく。すると友人から「2次会でカラオケに行くことになったから、今から行くんだ。」との返信が!飲んでいた居酒屋の隣にカラオケのお店があったため、そちらへ移動してみる。

カラオケの受付で「8名ほどの団体が先ほど来ませんでしたか?」と探偵気取りで聞いてみる。しかし「友人の方ですか?個人情報なのでお伝えできかねますので、友人であれば直接確認してみては・・・。」と当たり前の回答をされてしまう。改めて、私たちは何をやっているのだと現実に戻されてしまった一時だった。もうどの部屋に友人がいるのかもわからないし、普段カラオケに行く機会が少ない私たちは、探偵とは関係なく、カラオケを楽しもうということになっていた。カラオケを楽しみながらも、やはり気になってしまう。部屋のドアの下半分がガラスになっており、歩いている人の姿が少し確認できる。私は歌いながらも、友人が歩いてはいないか、廊下の方をちらちら見ていた。そのうち気になることができた。向かいのお部屋から見える女性がどことなく友人に似ている。はっきり見えるわけではないので確信は持てないが、向かいの部屋のドアが開閉する度に、私はガラス越しからじっと眺めていた。またまた怪しい客になってしまっている。でも、これだけ大きなカラオケのお店で、向かいの部屋になるような偶然が起こるだろうか。きっと気のせいだなと思い、またカラオケを楽しんでいた。そのうち、向かいの部屋のドアが開き、一人の女性が出てきた。その人は私の友人と共通の友人で、今回このコンパを開催いてくれた人だった。やっぱり向かいの部屋にいたんだ!と興奮し、友人がトイレから出てくるのを廊下で待ってみることにした。