カラオケへ行った後の話。カラオケが苦手な人はいると思う。私も歌が上手ではないので、気心知れた人の前では歌えるが、初対面の人がいるような場所では歌うのを躊躇してしまいます。しかし、その場の雰囲気を読んで、順番が回ってきたら「しょうがないか。」と思いながら歌ったり、友達と一緒に歌ってもらったりすると思う。しかし、彼女は想像を超えてくる。カラオケに入ったものの、全く喋らないし、歌わない。他の人が歌っている時も、みんなタンバリンやマラカスを持ってノッテいる中も、彼女はむすっとして全く動かないらしい。どうしても苦手で歌えないのであれば、せめて他の人が歌っている時に楽しそうにしたり、盛り上げようとしたりしそうなものだが、彼女はそれをしない。

主催者の彼女は、またまた楽しくなるよう盛り上げていたらしいが、どうしてもやる気のない彼女が視界に入ってしまうので、やる気が半減してしまったそうで、決して話すことも、歌うこともなく時間が過ぎていったそうです。

そんな状況の中でトイレに行くと、友人である私に遭遇。今までの数時間の状況を考えると、驚くより話を聞いて欲しいと思ったのは、確かに不思議ではない。

コンパ開始してからの話を、トイレの中で涙目になりながら訴えてくる彼女。コンパを開催するまでの間も、みんなのスケジュールを確認し、日にちと時間の設定。みんなの住んでいる場所から、開催場所を決める。その手間だけでも大変であっただろうし、開催当日だって、みんなが楽しかったと言ってもらえるよう、率先して楽しい雰囲気作りをしなくてはならない。参加する側は、主催者側の苦労を分かっているからこそ「全然楽しくないねー。」とか、「全然良い人いないから、やる気でないわー。」など軽はずみな発言をしてはいけないと思う。まして30代ならば、なおさら空気を読んだ対応を取らなければいけないと思う。

今回、主催した彼女だって、若い頃のコンパとは違うので、そんなに気を使わなくても各々うまくやってくれるだろうと、少しは安心した気持ちで当日を迎えたに違い無い。事前の準備と、当日の怒りを抑えながらも明るく振る舞った彼女のことを思うと、私まで泣きそうになりながら話を聞いていた。まだまだ話し足りない感じはあったが、長時間トイレから戻らないのも不自然なので、しばらくすると彼女はみんなのところへ戻った。私も部屋へ戻り、旦那に聞いた話を伝えはじめました。